1本のテレビドラマが16歳の少年の進路を変えた。ドラマの名は「白い巨塔」。患者側弁護士の弱者を助けようとする姿に心を動かされた岩田少年は、大学農学部へ進む計画をあらため、法学部をめざして受験勉強に邁進。第一志望の北海道大学に入学する。が、そこで弁護士への道の厳しさを知り、法律家の道は断念。
やがて迎えた就職活動シーズン。時はバブル景気のまっただ中で、銀行など金融機関が大学生の花の就職先として人気を独占していたが、大組織の歯車として奉公するよりも1日でも早く自分の考えで責任ある仕事をこなせるビジネスマンになりたかった岩田さんは、当時めざましい成長を遂げていたリクルートに就職。人材育成や採用に関わる部署で企画力やマネジメント力を身につけていった。
5年後、岩田さんは系列会社に転籍した。この岩手のリゾート企業でサービス業やリゾート産業のイロハを学ぶと、次に秋田のリゾート企業へ出向。同企業は秋田市と民間会社が資金を出し合って作った第三セクターで、バブル崩壊後、経営難に陥っていたが、岩田さんが実質的な経営トップとして改革を行い、同社を破綻の崖っぷちから救った。
東北で13年間活躍した岩田さんは、名古屋に戻り、現在は予備校の経営陣の一人として次の夢を追っている。その夢とは、メンバーが自分でやるべきことを見つけて自分の責任で判断し実行することにより、自分の成長を実感できるような職場を実現すること。
それって岩田さん自身のこれまでの歩みそのものでは?と尋ねると、岩田さん、にやっと笑って言った。
「みんな将来を早く決めろって言うけれどそんな必要ないよ。何がおもしろいかはやってみなきゃわかんないからね。とにかく手当たり次第、一所懸命にやってみること。その経験が次につながる」。