医師である父親の背中を見てきた細江さんが「人の役に立つ仕事に就きたい」と薬剤師を志したのは、高校3年生の時。周囲が早々と受験勉強に突き進む中、「勉強一筋な高校生活にはしたくない」とアルバイトに精を出し、1年遠回りして大学の薬学部に入学した。
彼女に転機が訪れたのは大学3年時。飲食関係のアルバイトや医療現場での実習を通じて、食で健康を保つ薬膳の考え方に共感したという彼女は、東洋医学の治療法のひとつ“漢方”の世界の奥深さに魅了される。
「漢方は、病気を治すのではなく本当の健康に気付いていただく医学。生活改善で病気を予防するという考え方にも惹かれました」。
大学卒業後、細江さんが進路に選んだのは漢方相談薬局。薬膳に積極的に取り組んでいるのも大きな決め手になった。現在配属されている職場では、残念ながら薬膳に関する業務はない。
だが顧客の相談に応じて様々なアドバイスをする今の仕事にやりがいも感じている。「技術や経験も大切だけれど、いちばん大事なのはお客様との信頼関係なんです」と笑顔で語る細江さん。
若手ながら、その丁寧なカウンセリングにはファンも多い。「今を楽しむこと!それがパワーになるはずだから」と、いつだって前向きな彼女は、現在薬膳を勉強中。もちろん将来も見据えてのことだ。
「小さくてもいいから自分の店を持ちたい。そこで“食”の大切さを伝えていければ」。その瞳は、夢に向かって走り出している。