長い人生の中でほぼ一度は世話になるのが、葬儀屋だ。「人の最後の大事な瞬間を扱わせて頂ける、とてもいい仕事です。人の死を間近で扱うとき、始めはひるみましたけどね」
高校時代。自暴自棄になっていた頃から立ち直り、トラック運転と定時制の授業という毎日を過ごした。若いとはいえ、挫折しそうな時期が長く続いた。支えてくれたのは、心からぶつかってくれた先生の存在だった。
営業マン時代。あり得ない労働環境に苦しんだこともあったが、「後悔はしたくありませんでした。葬儀屋とは違う社会を見たので、視野は広がりましたよ」と、独立心の強い青年は貪欲に学び続けた。
そんな小島さんには、人生に対するひとつの思いがあった。「失敗を恐れない、とにかく一歩前へ行こう」
葬儀を施行することだけが小島さんの仕事ではない。新規出店の計画や交渉も、事業企画室の室長としての大きな仕事だ。「葬儀は人生に欠かせないもの。今後ますます少子高齢化の時代に入る中、葬儀会館ビジネスも様変わりしていくことが必要です。昔ながらに莫大な費用をかけるのではなく、地域でお互いの顔の見える形で、お客様に配慮した展開を目指しています」という想いは街に溶け込むような、料亭を思わせる店舗の外観にあらわれている。
今年3月、名古屋に新たな店舗を設立。設置前には、“建設反対”という地域住民の不満が多く上がっていた。何度も説明会を開いて説得し、次第に好感触を得ていた小島さんだが、住民の中には断固反対する人もいた。たとえ少数でも、住民の声を尊重したい。耳を傾けて、対話をオープン直前まで重ねた。
「反対のない現場はどこにもありません。誠意を持って接することが大事。まだ職業差別のある業界ですが、頑なにやりますよ」。地域が大きく関わる葬儀の現場に、葬儀界の革命児は日々立ち向かっている。