「家業の製造業は男中心の世界。薬剤師の資格はあっても、薬局はやりたくない。自分の好きなことをやりたかった」と語るのは、経営者を父にもつ藤吉さん。
真剣に経営の勉強を始めたのは50歳になってから。そして環境整備や勉強する機会に多くの費用を投じ、社員教育から徹底的に取り組み、会社経営を立て直すことに成功した。
「当社の3Kは個人・家庭・会社。個人が最初にあり、よい家庭があって会社も良くなる。社員の成長した分だけ、会社も成長するのですから、社員教育の費用は惜しみません」という現在の社員への教育費は、全国平均の40倍だとか。
東伸という会社は、ビデオテープや写真用フィルム、食品の包装セロファンからテレビ・携帯電話の液晶画面まで、製造現場でよく使う加工機械をつくる日本の業界トップメーカー。
今では藤吉社長の柔軟な発想で、いくつか新たな試みも。そのひとつが、県の要望で始まった「オープンファクトリー」。「閉鎖的な製造業だからこそ、子どもたちにできることがあれば」と思い、地域の小中高生に対して積極的に工場を開放することで、次世代育成にも取り組む。
ほか、女性ならではの視点も。昨年から「子育て支援企業」として県の認可を受け、男性の子育て理解を呼びかけている。また「健康を失えば、すべてを失う」と、薬剤師の資格を活かした社員の健康管理への気配りも忘れていない。
最後に、未来を担う女性に向けてメッセージ。「今の女性に必要なのは、健康と気の強さ。負けてたまるか、の気持ちがないと仕事は続けられません。21世紀は女性の時代。状況に流されず、精神的に強い自信を持たないと駄目ですよ」。