オトナカタログ

手話通訳士
生活
川本明彦

様々な場面で必要とされる手話

「聞こえない世界と聞こえる世界の橋渡しをしているんです」と川本さんは言う。

手話通訳とは聾話者と健常者の言語通訳だけでなく、聞こえる世界と聞こえない世界の感覚の違い、聞こえる人には当たり前の常識、聞こえない世界の人の常識などすべてひっくるめ伝える仕事だ。

手話通訳は公的な、医療、犯罪、法律などの場面でも必要とされ、時には病院での通訳などは人命にも関わることもある。そのため、公平かつ中立で正しく通訳することが求められる。

また、川本さんは手話通訳を「ゆりかごから、墓場までなんです」とたとえた。妊娠し、人が生まれる場面から、人が亡くなってお骨を拾う場面まで、聾話者の日常生活の様々な場面で必要とされている。

毎日が勉強!

川本さんが手話に出会ったのは28歳の頃。たまたま知人の子供が聾話者だったことがきっかけで手話を勉強し始めた。

勉強していくうちに個人で通訳を頼まれるようになり、手話通訳士の試験にも第一期生として合格をする。

手話通訳が必要とされる範囲は広く、トラブルに直面することや、苦労はたくさんある。特に、聾話者の団体海外旅行での通訳は、何か起こると夜中でも川本さんは呼び出され通訳する。

聾話者が部屋の鍵を持たずに外に出てしまい入れなくなったときや、パスポートを盗まれたときの対応など、トラブルなどはいくらでもあるという。

しかしそれ以上に聾話者から学ぶことがたくさんあった。そんな現場での学びに楽しさを感じ、気がついたら30数年以上様々な聾話者と関わってきた。

そして川本さんは「若い人たちにももっと手話に触れたり、障がいを持った方と触れ合ってみてほしい。きっと学ぶことがたくさんあると思います」と素敵な笑顔で語る。