オトナカタログ

書道家
芸術
西野友記子

古典がもつ「新しさ」を現代に

小さい頃から「和」に囲まれて育った西野さん。小学生のうちに書道のみならず茶道、華道の稽古まで始めた。十年以上続けた理由はただただ好きだったから。

それでも大学生のころは書道を仕事にできるとは思っていなかった。意識が変わったのは展覧会で賞を受けるようになってから。

法律事務所で働きながらもひたむきに書を続けていた成果がいくつもの入選として実る。趣味としての書道を妥協せずに追及した先に、プロの道が開けた。

書道では古典と向き合うことが仕事の一部。古書を読むたび新しい発見がある。例えば平安時代の短歌には今見つけられない新鮮な感情を多く含んでいるという。

「古いものを懐かしむだけでなく、その発見を現代に生かしたい。」書道を通じて温故知新を体現する。古人の思いが西野さんの手によって今に蘇る。

芸術に到達点はない

「芸術の世界で売れることと上手になることは違う。」どれだけ賞をとったとしても、現状に満足したらそこでお終りだと西野さんはいう。

「書道は死ぬまでたしなむ職業。自分で限界を設定することなく、いつまでも努力を重ねていきたい」と目を輝かせる。

その向上心はどこからやってくるのか。 「好きなことを仕事にできるって幸せですね。」自分がやりたいことをやって働く。その充実感があるからどこまでも高みを目指せるのだろう。

好きだからこそ自分に甘えず、とことんこだわる。そんな西野さんの生き方にはお金に変えられない価値がありそうだ。