弾けんばかりの笑顔と、止まらない元気なおしゃべりからは、大竹さんの生い立ちは想像もできない。未熟児として生まれ、その影響から足に障がいのあった大竹さんは、小中学校の頃いじめにあったという。
「コンプレックスの塊でしたね。本気でお嫁には行けないと思っていたんです」。それでも、家業の美容師であれば、憧れのお嫁さんをお手伝いできるからと、中学生の時に家業を継ぐことを決意。
高校時代は通信で美容を学び、卒業と同時に常滑の美容室へ修行に入る。4年間の厳しい修行時代、1日も欠かさずトイレ掃除をやったのは、トイレの中でしか泣けなかったから。
「泣いたり、甘えたことを言えば、同じ美容師である母親が笑われると思ったんです」。いつも心には、育ててくれた両親への感謝の気持ちがあった。そして23才の時、母親の美容室を継ぐ。
26才の時、予想外の結婚。「彼がお嫁にもらってくれて、始めてコンプレックスが消えたんです。私でもいいんだ、って」。しかし人生で最高の出会いは、長くは続かなかった。
3年と10ヶ月の結婚生活の後、夫との死別。悲しみの中、小さな二人の子どもを抱えて働く大竹さんは過労で倒れてしまう。「この時期がいろんなことの転機でしたね。私が倒れたら、子ども達は、親はどうするの? 私が不幸せな顔してたら、きっと夫はお嫁にもらってくれなかっただろう、って」。
彼女にとっての「みち美容室」が、『仕方なく継いだ家業』から、始めて『自分の事業』になった瞬間だった。「美容室は、自分の一番素敵な顔に出会えて『私は素敵なんだ!』って、元気になってもらう場所なんです」。
きびきび働くスタッフ達と、広くなったサロンを背に、彼女の最高の笑顔が輝く。
路美容室