「この仕事をしていて嬉しいときは、網に魚が入ったとき。そして、魚が高く売れたときは最も嬉しいです。大漁だからといって売り上げが上がるわけではなく、反対にたくさん取れたら安くしか売れないから難しい」と語るのは間瀬さん。
祖父の代から3代続く、伝統ある地元一筋の漁師だ。渥美半島沖約40kmで漁をしている。朝3時に起き、夜が明けるのを基準に出航。天気の悪い日があると、1、2週間は漁に出られないこともあるそうだ。
2001年、思い切った行動に出る。「近場だと水揚げ(漁)があがらない。沖に出たらどうか」と思い、大きい船に変えた。
「1回漁に出て周ると、2、3日はかかる。1番取れるときは1日約50万円の売り上げ。反対にダメなときは10万円くらい。海次第、魚次第です」。
漁師は誤解されやすい仕事である。肉体労働、豪快に大漁旗を振り回す行為、無線での情報交換など。
「漁師は肉体が資本ではなく、今の船はほとんど機械操作。また、大漁旗を上げることは私が船に乗ってから一度も見たことがないですし、他の漁師に基本的には漁の情報を伝えません。昔は船の無線で情報交換していたのを、今では親しい漁師同士で携帯電話のやり取りをします。全て思い込みですよ」。
実は高校卒業後、船に乗るのが嫌で仕方がなかった間瀬さん。「でもノルマはないし、時間を気にしない。厳しそうな職業の感じはするが、割と気楽な商売です。気楽でなければ、自分自身は仕事を続けてこれませんでした」と言うが、天候や売り上げに左右されるシビアな現実と戦う後ろ姿には、家族と船を守る男の誇りを感じずにはいられない。